経営のヒント

経営改善、経営革新、IT導入、事業承継、起業、補助金など
様々なステージにおける経営に関する情報をお届けします

経営のヒントTOP
経営改善(6) 経営革新(4) 新規創業(2) IT導入(1) 資金繰り(2) 補助金(0) 事業承継(0) 設備投資(0) 販路開拓(1) その他(7


第1回 SDGs経営のススメ


2023年04月13日

投稿者:日下部 清

1.SDGsとは

(1)SDGsとは
・SDGsとは、SustainableDevelopmentGoals(持続可能な開発目標)の略で、国連で合意された2030年迄に地球と人類が目指すべき17個の目標と169個の具体的なターゲットを設定しています。このままでは「地球も人類も滅亡する」ということを世界が認め、共通の目標を掲げて人や組織の努力を一つにまとめようとしています。
・地球の温暖化・資源という環境問題のことが話題になることが多いのですが、経済・社会の分野でも具体的な数値目標を掲げて何を取り組むべきかについての指標を表現しています。
・SDGsはヨーロッパを中心に世界的な潮流になっており、日本の国としても全省庁ごとに取り組み指針を設けていますし市町村レベルでも取り組みが広がっています。

(2)SDGsの認知度
・広告大手の電通が2022年4月に公表した「SDGsに関する生活者調査」結果によると、SDGsの認知率は86.0%で1年前から30ポイント以上も伸びました。
・環境問題への関心が高く、エコバックやマイボトルの持参、詰め替え商品の購入、フードロス削減などの普及による効果が大きいと思われますが、世の中の半数の人は「SDGs」という名前を知っているだけに過ぎないという状況です。
・「自分も何かしたい」など、行動まで意識している回答は3割に満たないのですが、学生など15~24歳のZ世代は男女ともSDGsに関して「内容まで含めて知っているという人たちが」過半数に達しています。

2.企業が.SDGSに取り組むメリットとは?

(1)企業経営へ及ぼす影響
・企業としてSDGsに取り組むことは、企業経営にとって、大きなメリットになる時代になってきています。
  a.環境面に関して
  ①電気・ガスなどのエネルギーや水の使用量削減、②資源や廃棄物の使用量削減と再利用、
  ③温室効果ガス排出の削減、
  b.社会に関して
  ①地域の皆様から愛される企業になる、②企業イメージ・信用度の向上、③.経営の方向性を正すことができる
  c.経済面に関して
  ①イノベーション/新商品・新規事業開発力の向上、②売上・利益の向上、③コスト削減
  d.従業員に関して
  ①社員のやる気向上、②会社へのロイヤリティやモラル意識の向上、③人材不足の解消

(2)大企業での浸透度はほぼ100%に達しています。
・今迄のように競争が経済価値のみで行われる市場システムでは、経済活動の活発になればなるほど地球環境や社会への負荷が増大して限界へと達してしまうという考え方が一般的になってきています。
・それを避けるために、SDGsの目標は「持続可能な世界」を前提として、「経済価値」と「社会価値」を両立させる、すなわち、「企業が儲けること」と「環境や社会がよくなる事」を両立させる事です。
・特に若い人達からは、大企業が取り組みに消極的であれば「社会の要請」に応えていないと見なされてきて就職人気が低くなるなど、SDGsがビジネスにもたらす力が広く認識されており、具体的な取組を行っている企業が急速に増えてきています。
・「SDGs への関与」と「企業の持続可能性」は、今後一層、密接な関係を持つようになるだろうと考えられています。

3.中小企業がSDGs経営に取り組む意義

(1)市場の変化が進んでいます。
・お客様や取引先が変わり始めている
・投資家や従業員の意識も変化している
・社会貢献型のESG投資の標準化が進んでいる
・SDGsに関係する環境面での規制が強まってきている。
・ビジネスを通して社会や環境に良い影響を与えることが商売繁盛につながる時代が到来しています。
・企業が社会や環境にとって良い影響を与えていることを考えて商売をすると、売上や成長を高めることができるだろうと考える人が多くなってきているのです。

(2)中小企業にとってもビジネスチャンス
・「値段と質がほぼ同じなら、お客さんは絶対に社会や環境に良い方を選ぶ」のが普通であり、今の時代は、目に見えない社会に対する信用や共感という財産こそが企業にとっての強力な競争優位性を高めています。
・小さな会社では「経営が苦しいから新たなことを考える余裕がない」と感じているかもしれませんが、経営が苦しいからこそ、小手先の商売のやり方を変えることではなく、将来にわたって会社をさせていくための道筋を見出す必要があります。
・小さな企業が値引き合戦をすることもなく会社を成長させる方法は無いか?と考える時にSDGs で示された目標を取り入れて我社にもできることとして取り組むことは、大きなビジネスチャンスをつかむ可能性を秘めています。企業にとって SDGs は、単なるコストではなく、「宝の山」になり得るものです。
・それは長期的には、人々と社会に必要とされる会社であり続けるために芯を強める事業計画を作成することに他なりません。2030年以降に生き残るための取組要件だと捉えて事業計画に盛り込む必要があると思います。

4. 中小企業がSDGsに取り組むための支援

(1)「福岡県SDGs登録制度」登録事業者募集について
福岡県では県内のSDGsに積極的に取り組む企業や団体を県が広く公表し、SDGsへの貢献を「見える化」する「福岡県SDGs登録制度」の登録事業者を募集しています。
① <登録の対象>は、県内に事業所などを置く法人その他の団体、個人事業主
② <登録の要件>は、以下の2つの要件を満たすことです。
●SDGs達成に向け具体的な取組を実施している(または1年以内に実施する)こと
●SDGs達成に向けた取組方針などを宣言していること
③ <登録事業者に対する支援>として以下のような特典を受けることができます。
●県ホームページで取組を紹介、●県のオリジナルロゴマークの使用、●競争入札参加資格審査における加点対象になる、●ふくおか県政推進サポート資金の活用、●商工団体や金融機関による伴走支援

詳しくは、「福岡県SDGs登録制度について」の下記サイトをご覧ください。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/sdgs-touroku.html

(2)中小企業がSDGsに取り組む上では、以下のようなことに気を付けて取り組むことが大切です。
①経営トップが積極的に関わること
②最初から理想を求めすぎて、非常に高い目標設定を行い、負担が大きくなることは避ける。
③社員の皆様のモチベーションを下げないためにも、「SDGsの活動に取り組む意味」「SDGsに取り組むことで得られる効果」を伝え続け、納得していただきながら取り組むこと

(3) NPO経営支援ネットワークでは、SDGsに取り組む中小企業者を支援します。
・NPO経営支援ネットワークでは、中小企業に成長のための事業計画つくりをアドバイスしていますが、ぜひSDGsの視点を取り入れた事業計画を作成して欲しいと考えています。
・事業計画作成に対しては、n-ネッツの中小企業診断士が応援致しますので。ぜひ積極的に挑戦して頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。




記事一覧・・・

 

Page Top